居宅介護支援サービスは、利用者の地域での生活を支える重要な介護保険サービスです。質の高いサービスを提供できれば、利用者が在宅で生活できる期間を伸ばせるなどの可能性があります。利用者・事業者を問わず、その重要性と役割を理解しておくべきといえるでしょう。この記事では、居宅介護支援で提供する3つのサービスと利用の流れ、対象者、料金などを詳しく解説しています。
居宅介護支援の3つのサービス
利用者に提供するサービスは次の通りです。
【サービス内容】
- ケアプラン作成
- モニタリングとプランの見直し
- 関係機関との連携
それぞれの概要を見ていきましょう。
@ケアプランの作成
ケアプランは「どの介護保険サービスを、どのタイミングで、どれくらい利用するか」についてまとめた計画書です。介護サービス計画書と呼ばれることもあります。原則として、ケアマネージャーが作成します。介護サービスは、利用者ごとに作成したケアプランに基づき提供されます。
ケアプラン作成の流れ
基本的な作成の流れは次の通りです。
【流れ】
- ケアマネージャーが利用者の居宅を訪問して、現在の状況を把握し、課題を見つける(アセスメント)。
- 利用者とその家族、ケアマネージャー、サービス提供事業者で、課題やサービスについて話し合う。(サービス担当者会議)
- 2の話し合いをもとに、利用する介護保険サービス、その利用頻度などを決めて(ケアプラン作成)利用手続きを進める。
- 3に従い介護保険サービスを提供する。
Aモニタリングとプランの見直し
利用者や家族のニーズ、利用者の心身の状態などは、時間の経過とともに変化します。変化に対応するため、ケアマネージャーは月に1回以上の頻度で、「計画通りにサービスを提供しているか」「サービスは利用者や家族のニーズに合っているか」「サービスが利用者の自立支援に役立っているか」などを評価しなければなりません。これをモニタリングといいます。
評価の結果「利用者のニーズとサービスがずれている」などに気づいた場合は、現在の状況にあわせて計画を見直します。継続的に見直しを行い、利用者の状態やニーズに合わせてサービスを提供していく点がポイントです。例えば、同居する家族の就職を受けて、訪問介護の利用回数を増やすなどが考えられます。さまざまな変化にあわせて計画を見直すことにより、利用者は自立した生活を送りやすくなります。
B自治体との連携
関係機関との連携(連絡・調整)も重要なサービスです。代表的な関係機関として、自治体があげられます。介護認定には、原則6カ月の有効期限が設けられています(具体的な有効期限は自治体などで異なります)。更新期限を過ぎると、保険給付を受けられません。したがって、自治体に必要書類を提出して定期的に更新する必要があります。更新手続きは、本人や家族のほか居宅介護支援事業者も行えます。
自治体と連携が必要になる手続きとして、区分変更もあげられます。区分変更は、現在の要介護度では自立した生活に支障が生じるなどの理由で改めて認定調査を依頼することです。区分変更手続きも、本人、家族のほか居宅介護支援事業者などが行えます。
利用者の生活に深くかかわる関係機関は自治体だけではありません。サービス提供事業者、地域包括支援センターなども含まれます。これらと連絡・調整を行い、利用者の生活を支援することも求められるサービスです。