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サービス提供責任者(サ責)とはどんな仕事?

お役立ち情報

2023.2.15

アイキャッチ画像です。

サービス提供責任者は、訪問介護事業所のサービスの質や従業員の教育などに関わる重要なポジションです。事業所の「顔」になりうるため、役割や目的を理解して任用することが求められます。ここでは、サービス提供責任者の仕事内容や配置基準、他業務との兼務の可否、平均給与などを解説しています。以下の情報を参考にすれば、どのようなポジションか理解できるはずです。適材適所の人材配置などを目指している方は参考にしてください。

    

サービス提供責任者(サ責)の役割

サービス提供責任者の主な役割は、利用者の状況や希望を踏まえて訪問介護の目標を設定するとともに、これを達成する具体的なサービス内容などを立案し訪問介護計画にまとめることです。以上に加え、次の役割なども求められます。

【役割】

  • ・利用申し込みの調整
  • ・利用者の状況や意向を定期的に把握する
  • ・居宅介護支援事業者などと連携を図る
  • ・居宅介護支援事業者などに情報提供を行う
  • ・訪問介護員などに訪問介護の目標や介助の方法などを指示する
  • ・訪問介護員などの業務状況を把握する
  • ・訪問介護員などのスキル・希望を踏まえて業務を管理する
  • ・訪問介護員などに対して研修や技能指導などを実施する

サービス提供責任者は、利用者に適切な訪問介護を提供できるように連絡調整を行うとともに施設に在籍する訪問介護員の管理・指導などにも関わります。施設内で中心的な役割を担うポジションといえるでしょう。

サービス提供責任者(サ責)の仕事内容

以上の役割を担うため、さまざまな業務を行います。主な仕事内容は次の通りです。

利用申し込みの調整

施設の窓口として利用申し込みの調整にあたります。具体的には、介護保険やサービスに関する説明を行う、契約締結に向けて必要な支援を行う、利用者や家族と面談をして現在の状況や意向を把握するなどが考えられます。必要なサービスを滞りなく利用できるように働きかけます。

訪問介護計画の作成

特に重要な仕事のひとつとしてあげられるのが訪問介護計画の作成です。利用者や家族との面談などで集めた情報をもとに訪問介護の目標を設定し、ケアマネージャーが作成したケアプランや居宅サービス計画に基づき具体的なサービス内容をまとめて作成します。ポイントは、内容を利用者またはその家族に説明して同意を得なければならないことです。また、完成した訪問介護計画書は利用者に交付しなければなりません。

利用者の状況や意向を定期的に把握する

訪問介護計画作成後は、実施状況ならびに利用者の状況・意向を定期的に把握することを求められます。何かしらの変化が生じた場合や計画通りにサービスを提供できていない場合は、訪問介護計画の変更などを行います。

居宅介護支援事業者などと連携を図る

ケースに関わる居宅介護支援事業者などと連携を図ることも重要な仕事です。利用者の自立した生活は、さまざまな事業者が提供するサービスにより支えられていることが少なくありません。連携の場として活用されているのがサービス担当者会議などです。サービス担当者会議は、サービス調整後に各事業者の担当者が集まりケアプランの具体的な内容を検討する会議といえるでしょう。

居宅介護支援事業者に情報提供を行う

訪問介護サービスを実施する中で把握した利用者に関する情報を居宅介護事業者などに提供します。具体的には、利用者の心身の状況、口腔機能、生活環境などが考えられます。特別な変化がないことも、貴重な情報になりうる点に注意が必要です。

訪問介護員などのスキル・希望などを踏まえて業務を管理する

訪問介護員などのスケジュールを調整することも仕事のひとつです。具体的には、スキルに合わせてマッチングを行う、利用者の意向と訪問介護員の稼働可能日を踏まえて業務を割り振るなどが考えられます。さまざまな事情でスケジュール変更が生じやすいため、事業者によっては非常に重要な仕事になります。

訪問介護員などに対して研修や技能指導などを実施する

サービス提供責任者は訪問介護員に対する研修や指導なども行います。具体的には、訪問介護に同行して知識や技術を指導するOJT、全体研修などで知識や技術を指導するOFF-JTなどがあげられます。

サービス提供責任者(サ責)になるための要件

訪問介護事業所に在籍している従業員であれば、誰でもサービス提供責任者に任用できるわけではありません。任用にあたっては、次のいずれかに該当することを求められます。

【要件】

  • ・介護福祉士
  • ・実務研修修了者
  • ・旧介護職員基礎研修修了者
  • ・旧1級課程修了者

平成30年度介護報酬改定で、初任者研修課程修了者と旧2級課程修了者は要件から除外されました。現在の要件は上記4つとなっています。

サービス提供責任者(サ責)の平均給与

公益財団法人 介護労働安定センターが実施した「令和3年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書」によると、無期雇用職員で「能力や仕事ぶりに応じた評価の実施」「役職手当の導入・引き上げ」を希望している従業員の割合は訪問介護員よりもサービス提供責任者のほうが高くなっています。[2]

希望項目 訪問介護員 サービス提供責任者
能力や仕事ぶりに応じた評価の実施 31.4% 39.0%
役職手当の導入・引き上げ 10.6% 21.9%

実際の給与はどのようになっているのでしょうか。同資料によると、サービス提供責任者(無期雇用職員のみ)の通常月平均月収は232,624円(税込)です。ちなみに、訪問介護職員は176,616円(税込)となっています。同じく公益財団法人 介護労働安定センターが発表した「令和3年度『介護労働実態調査』結果の概要について」によると、サービス提供責任者の令和2年1年間の平均年収は3,899,562円です(訪問介護員は3,243,882円)。令和元年度から140,875円アップしています。[3]

サービス提供責任者(サ責)の配置基準・配置人数は?

訪問介護事業所は、事業所ごとに常勤介護職員などの中から1人以上のサービス提供責任者を配置しなければなりません。具体的な配置人数は、利用者40名につき1人です。つまり、利用者が40名までであれば1人、41〜80名であれば2人、81〜120名であれば3人となります。利用者の数は前3カ月の平均で求めます。

一定の基準を満たす場合の配置基準

次の条件を満たす場合は、利用者50名につき1人の配置を認められます。

【条件】

  1. 常勤のサービス提供責任者を3名以上配置
  2. 1かつ、主として従事する者を1名以上配置
  3. 1と2を満たし、サービス提供責任者の業務が効率的に行われている

3の「業務が効率的に行われている」とは、ソフトウェアやネットワークシステムを活用して業務の効率化が図られている状態です。

サービス提供責任者(サ責)を兼務ができる?

サービス提供責任者は、管理者ならびに訪問介護員との兼務が認められています。兼務の主なメリットは人員を有効活用できること、主なデメリットは業務量が増えることといえるでしょう。ただし、これらすべてを兼務することは基本的に認められていません。具体的なルールは、事業所がある自治体でご確認ください。

訪問介護事業所で重要な役割を果たすサービス提供責任者

この記事では、サービス提供責任者の役割や仕事内容、配置基準などについて解説しました。関係機関との連絡調整役や訪問介護員のまとめ役などを担うため非常に重要なポジションといえます。業務全体を見渡せる従業員を任用することで、サービスの質の向上、従業員のスキルアップなどを期待できます。単に「配置を求められているから」と考えず、目的や役割などを考えて任用することが大切です。

[1]出典:厚生労働省「サービス提供責任者についてA」
https://www.mhlw.go.jp/shingi/
2008/10/dl/s1030-2d_0003.pdf

[2]出典:公益財団法人 介護労働安定センター「令和3年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書」
http://www.kaigo-center.or.jp/
report/pdf/2022r01_chousa_
cw_kekka.pdf

[3]出典:公益財団法人 介護労働安定センター「令和3年度『介護労働実態調査』結果の概要について」
http://www.kaigo-center.or.jp/
report/pdf/2022r01_chousa_kekka
_gaiyou_0822.pdf