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居宅療養管理指導とは?算定要件を詳しく解説

お役立ち情報

2023.2.15

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サービスを提供するにあたり、居宅療養管理指導について理解を深めておきたいと考えていませんか。同サービスは、居宅で療養生活を送る要介護者を対象とするサービスです。訪問診療などと混同されがちですが明確な違いがあります。ここでは、同サービスの概要・よく似たサービスとの違い、報酬、算定要件などを解説しています。以下の情報を参考にすれば、全体像を把握できるはずです。サービスを提供する前に、理解を深めておきましょう。

    

居宅療養管理指導とは

介護が必要になった利用者が、できるだけ住み慣れた環境(利用者の居宅)で心身の状況にあわせてその人らしく自立した生活を送れるように、医師・歯科医師・薬剤師・管理栄養士・歯科衛生士などが通院しにくくなった利用者の居宅を訪れて現在の状況(心身・環境)を把握し、療養に必要な管理・指導を行うことで当該利用者の生活の質の向上を目指す介護保険のサービス(介護給付)です。

具体的には、医師などがケアマネージャーに対しケアプランの作成に必要な情報を提供する、利用者や家族などに対し居宅介護サービスを利用するうえで意識したい点や在宅生活に役立つ介護方法などの指導・助言を行うなどが該当します。管理・指導を目的とするため、基本的に医療行為は行いません。

「介護が必要になった利用者」と記載している通り、居宅療養管理指導を利用できるのは要介護1以上の介護保険被保険者です。65歳未満(40歳〜)の被保険者は、特定疾病が原因で要介護認定を受ける必要があります。詳しくは後述しますが、特定疾病は16種類の病気です。要支援1・要支援2の認定を受けた介護保険被保険者は、居宅療養管理指導を利用できません。代わりに、介護予防居宅療養管理指導を利用できます。サービスの内容は、よく似ているといえるでしょう。

居宅療養管理指導と訪問往診・訪問看護の違い

混同しやすいサービスとしてあげられるのが、往診・訪問診療・訪問看護です。これらとはどのような点が異なるのでしょうか。

往診

通院が難しい患者の要請を受けて、いわゆるかかりつけ医などが患者の居宅などを訪れ診療を行うことです。要請を受けてその都度対応する点と医療行為を行う点がポイントといえます。基本的には、患者の急な病状の変化などに対応するための手段です。したがって、継続を前提としておらず、計画的に管理されません。また、医療サービスに分類されるため、介護保険を適用できない点も大きな違いとしてあげられるでしょう。

訪問診療

曜日と時間を決めて、定期的に医師が患者の居宅などを訪れて診療などを行うことです。具体的には、1〜2週間に1回のペースで診察・療養相談・療養指導などを行い、必要に応じて関係の深い医療機関と連携、入院の手配なども行います。計画的に診察などを行う点と医療行為を行う点がポイントです。往診と同じく、医療サービスに分類されるため、介護保険は基本的に適用できません。

訪問看護

看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが、利用者の居宅を訪問して医療処置やリハビリーテーション、療養生活の相談、アドバイス、緊急時の対応などを行うことです。医療保険が適用される場合と介護保険が適用される場合にわかれます。要介護認定・要支援認定を受けた65歳以上、特定疾病が原因で要介護認定・要支援認定を受けた40歳以上65歳未満の方は、介護保険が基本的に適用されます。いずれにせよ、医療的なニーズの高い利用者に提供される点がポイントです。

居宅療養管理指導にかかる費用

利用者の自己負担割合は原則1割です。ただし、65歳以上で前年の収入・所得が一定以上の利用者は2割負担、または3割負担になります。65歳未満の方は、収入・所得に関わらず1割負担です。

居宅療養管理指導の費用は、利用者の支給限度額には含まれません。したがって、訪問介護や訪問看護など他の介護サービスを支給限度額満額まで利用していても、利用回数が上限に達していなければ利用者は1〜3割負担で利用できます。他の介護サービスのように、支給限度額を超えた分は全額自己負担となることはありません。利用回数の上限は、医師・薬剤師・歯科医師・管理栄養士は月2回、薬剤師・歯科衛生士は月4回となっています。

居宅療養管理指導の報酬単価は次の通りです。

職種など 単一建物居住者1名 単一建物居住者2〜9名 単一建物居住者10名以上
医師T 514単位 486単位 445単位
医師U 298単位 286単位 259単位
歯科医師 516単位 486単位 440単位
薬剤師(医療機関) 565単位 416単位 379単位
薬剤師(薬局) 517単位 378単位 341単位
管理栄養士 544単位 486単位 443単位
管理栄養士(当該事業所以外) 524単位 466単位 423単位
歯科衛生士 361単位 325単位 294単位

※薬剤師(薬局)が情報通信機器を用いて行う場合は45単位(月1回が上限)

ここまでの説明でわかる通り、居宅療養管理指導は療養に必要な管理・指導を行う介護保険のサービスです。併せて、医師による診察などを受けた場合、追加で医療費がかかります。この点は、利用者にあらかじめ説明をしておく必要があります。

【関連記事】訪問看護サービスに医療保険は使える?条件や制限と介護保険との違い

居宅療養管理指導を利用するまでの流れ

居宅療養管理指導を提供する前に押さえておきたいのがサービス全体の流れです。基本的な流れは次のようになります。

ケアマネなどが相談を受ける

介護保険に基づき提供されるサービスであるため、最初にケアマネが利用者から相談を受けます。あるいは、同サービスの指示を出せる医師または歯科医師も相談を受けることができます。

ケアプランを作成する

相談を受けたケアマネは、医師などと連携しつつ基本的にケアプランを作成します。具体的には、利用するサービスや利用する頻度などを決定すると考えればよいでしょう。ただし、ケアプランの作成は、絶対に必要というわけではありません。

サービスを提供する事業者を探す

作成したケアプランに基づき、サービス提供主体となる事業者を探します。選択・契約するのは利用者であるため、希望条件を明確にしておくと事業者探しをスムーズに行いやすくなります。もちろん、事業者の信頼性を評価しておくことも欠かせません。

サービス開始

利用日時などを決定してサービスの提供を開始します。

【関連記事】居宅療養管理指導とは?算定要件を詳しく解説

居宅療養管理指導の利用条件

同サービスの利用条件は次の通りです。

介護保険第1号被保険者

第1号被保険者(65歳以上の方)は、要介護1以上の認定を受けることで同サービスを利用できます。

介護保険第2号被保険者

第2号被保険者(40歳以上65歳未満)は、特定疾病が原因で要介護認定1以上をうけると同サービスを利用できます。特定疾病は、以下に記載している16種類の疾病です。

【特定疾病】

  • ・癌(末期)
  • ・関節リウマチ
  • ・筋萎縮性側索硬化症
  • ・後縦靭帯骨化症
  • ・骨折を伴う骨粗しょう症
  • ・初老期における認知症
  • ・進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症・パーキンソン病
  • ・脊髄小脳変性症
  • ・脊柱管狭窄症
  • ・早老症
  • ・多系統萎縮症
  • ・糖尿病性神経障害・腎症・網膜症
  • ・脳血管疾患
  • ・閉塞性動脈硬化症
  • ・慢性閉塞性肺疾患
  • ・両側性膝関節または股関節に著しい減系を伴う変形性関節症

出典:厚生労働省「介護保険制度について」
https://www.mhlw.go.jp/content/
12300000/000362938.pdf

居宅療養管理指導の算定要件

同サービスの介護報酬は、医師Tと医師Uに分かれます。診療報酬の「在宅時医学総合管理料」と「特定施設入居時医学総合管理料」を算定した場合は医師U、これらを算定しない場合は医師Tを算定します。

居宅療養管理指導が算定できない場合がある?

医師・歯科医師が算定する場合、利用者の居宅に月1回以上、訪問診療・往診を行わなければなりません。行っていない場合は、居宅療養管理指導費を算定できません。また、医師・歯科医師・薬剤師がケアマネへ情報提供を行わなかった場合も算定は不可となります。

居宅療養管理指導は在宅での療養生活を支えるサービス

居宅療養管理指導の概要や報酬、算定要件などについて解説しました。同サービスは、通院が難しい利用者の居宅を医師などが訪れて、療養に必要な指導・管理を行うサービスです。これらを通して、住み慣れた地域で自立した生活の実現を目指すとともに生活の質の向上を図ります。往診・訪問診療との主な違いは、医療行為を行わないことと介護保険の対象になることといえるでしょう。質の高いサービスを提供するため、ケアマネと医師などの連携が欠かせません。関連職種が連携しつつ、利用者の療養生活を支援することが重要です。